真言宗の本山

真言宗は、弘法大師が唐に渡り、青龍寺の恵果和上から正統な真言密教を受法し、日本に伝えた教えです。真言宗の寺院としては、弘法大師が開き、後に入滅した高野山金剛峰寺のほか、朝廷から賜わった東寺(教王護国寺)がありますが、このほか弘法大師にゆかりのある寺院や、1200年もの長い歴史の中で誕生した多くの寺院があります。

現在、全国に約12,000ヶ寺ある真言宗の寺院は、教義の考え方や修法の違いにより、十八の本山を中心とした派に分かれていますが、各宗派の管長の中から選ばれた方が真言宗長者となり、真言宗の代表者となっています。

十八の宗派と本山
真言宗善通寺派 善通寺(香川県) 真言宗須磨寺派 須磨寺(兵庫県)
真言三宝宗派 清澄寺(兵庫県) 真言宗中山寺派 中山寺(兵庫県)
真言宗大覚寺派 大覚寺(京都府) 真言宗御室派 仁和寺(京都府)
真言宗智山派 智積院(京都府) 真言宗泉涌寺派 泉涌寺(京都府)
東寺真言宗派 教王護国寺(東寺、京都府) 真言宗山階派 山階時(京都府)
真言宗善通寺派 随心寺(京都府) 真言宗醍醐派 醍醐寺(京都府)
真言律宗派 宝山寺(奈良県) 信貴山真言宗派 朝護孫子寺(奈良県)
真言律宗派 西大寺(奈良県) 真言宗豊山派 長谷寺(奈良県)
新義真言宗派 根来寺(和歌山県) 高野山真言宗派 金剛峯寺(和歌山県)

真言宗智山派の本山

真言宗智山派は、全国に約3,000ヶ寺を有する宗派で、智積院を総本山とし、その下に成田山新勝寺、川崎大師平間寺、高尾山薬王院の大本山、さらに高幡不動尊金剛寺、真福寺宝正院(大須観音)の別格本山があります。

総本山 智積院(ちしゃくいん)

総本山「智積院(ちしゃくいん)」

豊臣秀吉の根来寺焼き討ちにより、京都へのがれた玄宥僧正が、徳川家康より京都東山七条に寺領を与えられ、根来寺にあった智積院を再興したものです(正式名称を五百仏山根来寺智積院といいます)。後に、秀吉が建てた祥雲禅寺も賜り、東山に広大な寺域を有するようになりました。

毎朝、大勢の僧によるお勤めと護摩祈願が行われており、近年は紅葉の新しい名所として知られるようになってきました。

大本山 成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)

大本山「成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)」

平将門の乱を鎮めるため、天皇の命を受けた寛朝僧正が建立した寺院です。江戸時代には、本尊不動明王の江戸深川の出開張で庶民の信仰を受けたほか、歌舞伎役者市川団十郎があつく信心したことで知られています。

大本山 川崎大師平間寺(かわさきだいしへいけんじ)

大本山 「川崎大師平間寺(かわさきだいしへいけんじ)」

平安時代に、海中から引き上げられた空海像をまつったのが始まりで、豊臣秀吉の小田原攻めで焼失しました。江戸時代以降は大師信仰を背景に、多くの参詣者でにぎわっています。

大本山 高尾山薬王院(たかおさんやくおういん)

大本山「高尾山薬王院(たかおさんやくおういん)」

高尾山中に造られた山岳寺院で、聖武天皇の勅命によって開かれました。修験の寺として多くの人々の信仰をあつめています。

別格本山 高幡不動尊金剛院(たかはたふどうそんこんごういん)

別格本山「高幡不動尊金剛院(たかはたふどうそんこんごういん)」

平安時代の丈六不動明王と、二童子像を本尊とする寺院です。新撰組の土方歳三の菩提寺としても知られています。

別格本山 真福寺宝正院(しんぷくじほうしょういん)(大須観音)

別格本山「真福寺宝正院(しんぷくじほうしょういん)」(大須観音)

名古屋市の繁華街にあり、多くの祈願者によって賑わっています。国宝の古事記など多数の古文書を所蔵しており、歴史学者で知らない人はいない寺院です。

新義真言宗総本山 根来寺

新義真言宗総本山 根来寺

平安時代後期、真言密教に阿弥陀信仰を取り入れた教義を広めた覚鑁上人によって開かれた寺院です。戦国時代には、延暦寺に匹敵する大きな勢力をもちましたが、豊臣秀吉によって焼き討ちされました。

その時に逃れた玄宥僧正が智山派を、専誉僧正が豊山派を興し、焼き討ち後に残った多宝塔を中心に根来寺は再興され、新義真言宗派の総本山となりました。

高野山真言宗派総本山 金剛峰寺(不動堂)

高野山真言宗総本山 金剛峰寺

弘法大師が高野山に開いた寺院で、山上に真言密教の教義にもとづいた建物が造られています。多くの宿坊が建ち並ぶ景観は世界でも珍しく、近年は外国の方が宿泊されるようになってきています。不動堂は高野山最古の建物です。

高野山奥の院

高畠不動尊

弘法大師が入定されている奥の院は、約20万基にも及ぶ石塔が建てられており、多くの人々がお参りに訪れる聖域となっています。

真言宗善通寺派総本山 善通寺

真言宗善通寺派総本山 善通寺

弘法大師がお生まれになった場所に建てられた寺院(西院)と、奈良時代に遡る佐伯氏の氏寺であった東院で構成されています。